研究概要 |
本研究の目的は、「教授-学習(teaching and learning)」「学校組織(school organization)」「外部環境(environment)」の関係を相互にオルタナティブ(alternative)に捉える「学校組織デザイン(Organizational design of school)」として理論的に明らかにすることである。また、同理論は、特にアメリカにおけるスクール=リストラクチャリングの改革の流れと密接に関わりながら展開してきた。すなわち、理論的視点を明らかにすることは、同時に、80年代〜90年代〜現在にかけて、同理論を系譜的に明らかにするということでもある。 上記の目的に沿って、初年度は、アメリカ学校組織研究を中心に著作・雑誌論文等をピックアップし、文献研究を中心として進めた。教育経営研究ではEducational Administration Quarterly, Educational Evaluation and Policy Analysis等の雑誌、Second International Handbook of Educational Leadership and Administration等の文献を中心に文献研究を進めた。 また、本研究では、研究課題の遂行のために、(1)研究文献データベースの作成(80年代以降のアメリカ学校組織論を中心に文献データベースの作成)、(2)学校組織の診断・評価のためのデータベース・モデルの構築(本研究では、学校組織デザインの理論の構築とモデルの提示が最終的な目的であり、そのための学校・学級の規模や、成員の構成、教育課題等、個々の学校の特質をデータベースとして蓄積できるモデル)を進めている。本年度は、(1)については入力と整理を、(2)に関して現場の課題である学校の自己点検・自己評価の「学校組織(school Organization)」におけるオルタナティヴとしての視点をモデル化した。
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