研究概要 |
1.現地での資料収集およびフィールド・ワークの実施 (1)アジア比較教育学会での資料収集…2003年7月にインドネシア教育大学バンドン校で開催されたアジア比較教育学会第4回大会に参加し、研究課題に関する資料収集を行うとともに、アジア各国で課題となっている市民性教育に関して意見交換を行った。なお、インドネシアでの同学会参加に加え、タイにおいてもタイ文部省を訪問し,資料収集およびインタビュー調査を実施した。 (2)タイでのフィールド・ワーク…2003年12月にタイにおいて現地調査を実施した。調査地はタイ南部を中心とし、主な訪問先は地方教育行政組織、ムスリムの児童・生徒が在籍する小学校・中・高等学校、および私立イスラーム学校であり、インタビュー調査等により学校現場での教育実践状況を明らかにした。 2.学会での研究成果の公開 主に資料収集・分析の成果を踏まえ、市民性教育再編にみるイスラームへの対応状況を整理し、全国学会で2回の研究発表を行った。 (1)2003年6月29日、日本比較教育学会第39回大会において、「タイの基礎教育改革におけるイスラームへの対応」というテーマで発表を行い、基礎教育改革における市民性の位置づけと具体的なイスラームへの対応状況をカリキュラムを中心に分析した。 (2)2003年11月22日、日本教育制度学会第11回大会において、「タイの基礎教育制度改革におけるイスラーム教育の構造と課題」というテーマで発表を行い、これまで南部特定地域を中心に展開されてきたイスラーム教育が、基礎教育制度改革により全国共通のイスラーム教育制度へと移行するプロセスに注目し、イスラーム教育関係者の市民性教育の受容状況について分析した。 3.フィールド・ワーク結果のデータベース化 2003年12月のフィールド・ワークによって得られた資料について、インタビュー調査の翻訳・整理、コンピュータへのデータ入力などを継続的に実施し、データベース化をはかっている。
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