研究概要 |
平成16年度は、主に平成15年度に実施した子どもの体力・運動能力調査および日常の生活スタイルや遊びの実態調査の一次調査を入力・集計・分析および解析を行った。 質問紙調査の内容は、(1)社会的スキルと健康・心の問題,32項目、(2)体育の授業に関する調査、20項目、(3)運動に関する調査(運動の有能感)、17項目、(4)スポーツ観に関する調査、18項目、そして(5)日常生活に関する調査、約40項目とした。体力測定項目は、5歳児に、(1)25m走、(2)立ち幅跳び、(3)捕球、(4)両足連続跳び越し、(5)テニスボール投げ、(6)体支持持続時間、(7)長座体前屈の7種目とし、10歳、14歳、17歳には、(1)50m走、(2)立ち幅跳び、(3)ソフトボール投げ、(4)長座体前屈、(5)20mシャトルランテスト、(6)反復横とび、(7)上体起こしの7種目である。 一次調査の結果については、「今日における子ども・青年の発達課題を探る(予備的考察)-教育課程の自主編成に向けて教科体育が引き取るべき課題は何か-」と題し、研究の中間発表として、2004年8月3〜6日に、第128回学校体育研究同志会全国大会(神奈川県箱根市)で発表を行った。また同題で、第26次教育研究講座(鹿児局市、8月7〜8日)、第43回教育科学研究会全国大会(北九州市、8月10〜12日)においても発表をする機会を得た。そこでは、いくつかの示唆を得ることができた。幼児期においては、運動遊びを行った子どもとそうでない子どもの「起床時刻」「テレビの視聴時間」との間には有意な差がみられ、運動遊びをした子どものほうがそうでない子どもよりも起床時間がはやく、テレビの視聴時間は短くなっていた。また保護者からみた子どもの様子の問にも、よく運動遊びをしていると思っている親は、そう思っていない親よりも、子どもは遊びの満足度も高く(p.<001)、戸外でも.良く遊び(p.<001)、活発に身体を動かし(p.<001)、友達とも仲良く遊べる(p.<01)といった結果がみられた。(詳細は紙面の関係上省略) 来年度は、これまでの一次調査結果を論文化する作業に加え、昨年度、一部の階梯で実施した本調査と、不足している階梯での本調査実施を行う予定である。
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