アメリカにおける「学校の部分利用」を実証的に明らかにしていく上で、本年度は主に以下の4点を実施した。 第1に、研究代表者がカリフォルニア州サクラメント市に赴き(9月)、ある学校において、学校の部分利用を行っている保護者並びに児童・生徒に対して質問紙調査を実施した。主に、コンジョイント分析という手法を用いて、学校の部分利用という制度を選択した理由を解明した。 第2に、カリフォルニア州サクラメント市において、学校の部分利用を行っている、もしくは行ったことがある保護者や児童・生徒を対象にインタビュー調査を行った。学校の部分利用の形態の違いに基づいて、計4グループに各種の質問をした。インタビューはすべて録音し、それを文字に書き起こし、分析を進めた。 第3に、カリフォルニア州サクラメント市のある学校において、学校保管の指導要録などを見せてもらい、学校の部分利用の実態を、学校の公文書の面から明らかにした。これにより、例えば週に何回、何時間ぐらい学校に来て、学校のいかなる機能を取捨選択して利用しているのかといった実態をつまびらかにした。 第4に、アメリカ50州当局を対象に、学校の部分利用、並びに学校への二重在籍に関する州の関連規定を問い合わせ、州としての対応を明らかにした。 上記のうち、第3点、第4点を中心とした研究結果を、11月13日(土)に埼玉大学教育学部において開催された日本教育制度学会第12回大会で発表した。
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