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2004 年度 実績報告書

大学生の批判的思考発達に影響を与える文化心理的・教育的要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730382
研究機関青山学院大学

研究代表者

抱井 尚子  青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教授 (20348460)

キーワード批判的思考 / 態度 / CCTDI / 自己観尺度 / 文化心理学 / 社会文化的アプローチ / 定量的研究 / 定性的研究
研究概要

本年度は、3年間の研究期間の2年目として、以下の実績をあげた。
(1)定量的データの分析:大学生の批判的思考態度を測定するカリフォルニア・クリティカルシンキング・ディスポジション・インヴェントリー(CCTDI)と、相互独立的自己観と相互協調的自己観を測定する自己観尺度(SCS)を使用して行った量的データの収集を終了した。最終的には、東京・京都の私立大学で学ぶ合計347名の学生からデータが集った。因子分析の結果、批判的思考態度には4つの因子があることが示唆された。これらの因子それぞれに対し.30を上回る因子負荷を持つ項目を集めると、項目間の共通テーマは、Kakai (2001)において出現した4つの因子と重複するものであることがわかった。これらの因子は、Walsh & Hardy (1997)の調査から得られた因子とも高い類似性が確認されている(Kakai, 2003)ため、本研究の最終分析においても、批判的思考態度は、CCTDIの開発者であるFacioneら(1994)の主張する7つの因子ではなく、4つの因子を用いて行うこととした。
(2)今回日本の大学生から新たに収集したデータと、筆者が米国において1999年から2000年の1年間に収集した大学生のデータを用い、4因子からなる批判的思考の因子モデルを平均構造・多母集団同時分析を用いて検証した。結果4因子の因子モデルは日米両国のデータに対し高い適合度を示し、両グループ間に同様の因子モデルがあることが確認された。
(3)上記の量的調査の分析結果を踏まえ、2004年度は、質問紙調査に参加した347名の東京・京都の大学生の中から、筆者が所属する大学の学生計17名(1年生5名、2年生6名、3年生5名、4年生1名)の協力を得て面接調査を行った。面接調査データは現在分析中である。
(4)関連論文執筆:批判的思考に関連する論文として、「ポスト論理主義モデルの批判的思考とその実現形態について:相補代替療法の使用をめぐる医療的意思決定からの考察」を執筆した。本論文は、『青山国際政経論集』の66号(2005年5月)に掲載予定となっている。
(5)研究発表:2004年9月14日の日本心理学会シンポジウム「批判的思考の心理学的基礎と実践」に参加し、筆者の批判的思考の実現形態に関する考察を発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ポスト論理主義モデルの批判的思考とその実現形態について-相補代替療法の使用をめぐる医療的意思決定からの考察-2005

    • 著者名/発表者名
      抱井 尚子
    • 雑誌名

      青山国際政経論集 66(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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