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2005 年度 実績報告書

非行少年の個性理解と早期指導に役立つ学級環境尺度の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15730385
研究機関白鴎大学

研究代表者

平田 乃美  白鴎大学, 発達科学部, 講師 (20308224)

キーワード非行少年 / 少年鑑別所 / 中学生 / 学級環境 / 学級環境尺度 / Actual / Preferred / 心理尺度 / 選好環境
研究概要

非行少年の学級環境に対する評価に関して、本年度は特に少年の「現実の学級環境」と「選好する(好ましい、望ましいと考える)学級環境」に対する評価の関連に着目した。国外の先行研究では、この現実と選好の環境に対する評価の一致が教育効果を高めるとされている(例えば、Stern,1970;Hunt,1975)。前年度までの成果を踏まえて、独自に構成した学級環境評価尺度を、少年鑑別所収容中学生(87名)、及び首都圏の公立中学生(121名)に実施した。
学級環境評価尺度40項目の因子的妥当性を検討するため、全208名に実施したデータを用いて因子分析(主因子法Varimax回転)を行った。因子の固有値及び解釈可能性を基準に5因子構造を妥当として、「教師の支援」、「学級での孤独感」、「授業態度」、「学級の規律・結束」、「学業の負担」を抽出した。
学級環境評価尺度の評定値を従属変数として、所属(少年鑑別所・一般中学校)と評価対象(現実・選好)を要因とした2要因分散分析を行った結果、少年鑑別所・一般中学校の生徒ともに、現実の学級環境で得ているよりもさらに多くの「教師の支援」、生徒の肯定的な「授業態度」や「学級の規律・結束」、「学業の負担」の軽減、等を求めていることが示された。また、「教師の支援」、「授業態度」、「学業の負担」では所属による交互作用が認められ、傾向の程度は少年鑑別所群でさらに顕著であることが示された。このことから、非行中学生は、一般中学生以上に学校生活における現実環境と選好環境に対する認知の差異が大きいことが検証された。従来の選好・現実環境に関する調査研究では、主に学業成績が教育成果の指標として取り上げられてきたが、本結果は、選好・現実を対象とした学級環境評価の手法が、非行行動に関わる学校環境要因の解明にも有益であることを示したといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 少鑑別所収容中学生を対象とした現実・選好フォームによる学級環境評価の試み2006

    • 著者名/発表者名
      平田乃美
    • 雑誌名

      白鴎大学発達科学部論集 2(2)

      ページ: 177-186

  • [雑誌論文] 子どもの周辺人物イメージと学級環境評価【1】-「相談相手」としてのスクールカウンセラー・教師・友達・両親-2005

    • 著者名/発表者名
      渡邊亮子, 平田乃美, 野嶋栄一郎
    • 雑誌名

      日本心理学会第69回大会発表論文集 69

      ページ: 1405

  • [雑誌論文] 子どもの周辺人物イメージと学級環境評価【2】-「相談」という行為に対する捉え方に着目して-2005

    • 著者名/発表者名
      平田乃美, 渡邊亮子, 野嶋栄一郎
    • 雑誌名

      日本心理学会第69回大会発表論文集 69

      ページ: 1406

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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