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2004 年度 実績報告書

地理カリキュラムおよび地理授業計画書の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730397
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

草原 和博  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40294269)

キーワード地理教育 / カリキュラム / 授業 / 社会認識形成 / 地理認識形成 / 社会科学教育
研究概要

本年度は,これまで日米両国で発表されてきた地理カリキュラムおよび地理授業を収集し,地理教育論の全体像の解明につとめた。その結果,以下の成果が得られた。
1.日本の地理カリキュラム・地理授業については「地理主義教育論」と性格規定し,同理論の下位類型の設定と事例の位置づけを試みた。具体的には,(1)学問的地理学教育論と教育的地理学教育論,(2)内容主義教育論と方法主義教育論の各視点を設定し,これらを掛け合わせることで4つの類型をみちびいた。また,各類型を代表するカリキュラム・授業の事例を指摘するとともに,「地理主義教育論」に共通する課題として,国家・社会の理解が十分に保証されず,国民・市民教育にコミットしない,むしろそれを妨げる点を明らかにした。
2.米国の地理カリキュラム・地理授業については,インディアナ州教育省の成果に注目し,「地理主義教育論」の一般モデルを明らかにした。同カリキュラムは,(1)社会を研究対象にしていること,(2)地理学固有の分析視点を限定的に位置づけ,人文・社会諸科学の視点を広く活用した「総合社会研究」になっていること,(3)世界各地の様々な事例研究を媒介にして,身近なコミュニティーの特質や課題,自らの参加・行動のあり方を考えさせる「間接社会研究」になっていること指摘した。あわせて,地理主義教育論と比較したとき,国家・社会の理解が担保され,国民・市民教育にコミットする程度が大きいことを明らかにした。
3.一連の研究で,「地理主義教育論」と「地理主義教育論」の目標論,教科課程における地理の位置づけの違いが浮き彫りになった。前者は,地理・歴史・公民の三分野制を擁護し,現行の国家・社会に子どもを適応させる思想教育に陥りやすいのに対して,後者は,統合社会科を志向し,国家・社会に対する子どもの自立的・主体的な思想形成を支援しうることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「社会科地理」をめぐる論争の構図2005

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      鳴門教育大学研究紀要(教育科学編) 20

      ページ: 171-183

  • [雑誌論文] 地理教育のカリキュラム編成の理論と構想2004

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      社会科教育実践学の構築(明治図書)

      ページ: 147-156

  • [雑誌論文] 地理的視野に立つ中日相互理解の教材開発-「市場経済移行国:中国・ロシア」-2004

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      日中相互理解のための教材開発に関する基礎的研究(日本教材文化研究財団)

      ページ: 18-26

  • [雑誌論文] 小学校社会科教科書2004

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      日中相互理解のための教材開発に関する基礎的研究(日本教材文化研究財団)

      ページ: 45-71

  • [雑誌論文] 社会科教育実践力を育成する教科教育法の構想-教科と「総合的な学習の時間」の違いをふまえて-2004

    • 著者名/発表者名
      梅津正美, 草原和博
    • 雑誌名

      教科教育学研究(日本教育大学協会第二常置委員会) 第22集

      ページ: 169-177

  • [図書] 地理教育内容編成論研究-社会科地理の成立根拠-2004

    • 著者名/発表者名
      草原 和博
    • 総ページ数
      645
    • 出版者
      風間書房

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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