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2005 年度 実績報告書

地理カリキュラムおよび地理授業計画書の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15730397
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

草原 和博  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40294269)

キーワード地理教育 / カリキュラム / 授業 / 社会認識形成 / 地理認識形成 / 社会科学教育
研究概要

本年度は,米国の地理カリキュラム及び地理教科書の分析を通して,わが国の地理授業開発の課題を解明しようとした。その結果,以下の成果が得られた。
1.米国テキサス州の教育動向に注目し,同州のカリキュラムと教科書『世界文化と地理』に内在する地理教育論を解明した。分析の結果,(1)認識対象を社会の事象・問題に求めた総合的な「社会研究」になっていること,(2)地理学独自の視点・方法を限定的に位置づけ,人文・社会諸科学のそれを広く活用していること,(3)世界の様々な「地域」の社会研究を保障していることを指摘した。また学習指導要領の地理教育と比較すると,市民性の育成にコミットできる可能性が大きいことを明らかにした。本成果は,『中研紀要 教科書フォーラム』(中央教育研究所)に発表した。
2.1の成果を受けて,日本の「地誌学習」に内在する原理的問題を指摘した。学習指導要領と教科書を分析した結果,(1)認識対象が地域の地理的事象に限定されていること,(2)対象の捉え方として,地理学固有の視点・方法が過剰なまでに大きく設定されていること,(3)地理学習が目的化してしまい,国家・社会の本質把握や批判的思考力の育成にコミットしていないことを明らかにした。本成果は,『東書E-net』『教室の窓』(東京書籍)に発表した。
3.2の成果を受けて,日本の「地誌学習』を総合的な「社会研究」に変革する授業モデルを開発した。具体的には,(1)アフリカ地域の紛争現象を取り上げ,(2)同現象が発生している理由を,エスニック集団の対立モデル(歴史・文化的視点),権力者の対立モデル(政治・経済的視点),被支配者層の対立モデル(社会・心理的視点)をもちいて分析させる,(3)最終的には,紛争国家にみられる社会構造を解明させる授業を開発した。本成果は,『社会認識教育の構造改革』(明治図書)に発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 社会科学科地理としての地理授業2006

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      社会認識教育の構造改革-ニュー・パースペクティブにもとつく授業開発-(明治図書)

      ページ: 72-82

  • [雑誌論文] 社会科授業実践の基盤となる授業分析力と教材解釈力の育成-遠隔授業観察システムを利用した演習の一事例2006

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      鳴門教育大学情報教育ジャーナル(鳴門教育大学) 第3巻

      ページ: 81-90

  • [雑誌論文] 市民社会における地理教育-テキサス社会科と『世界文化と地理』を手がかりにして-2005

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      中研紀要 教科書フォーラム(中央教育研究所) 第4巻

      ページ: 38-49

  • [雑誌論文] 地理的分野で育成する学力とは何か2005

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      教室の窓 中学校社会(東京書籍) 第6巻

      ページ: 4-5

  • [雑誌論文] 社会が分かる授業構成の条件2005

    • 著者名/発表者名
      草原和博
    • 雑誌名

      第49回中学校教育研究大会研究紀要(鳴門教育大学附属中学校)

      ページ: 30-30

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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