無限次元超リー代数の表現論に関して、神戸大学の庵原謙治氏との共同研究により、以下の結果を得た。 整数で次数づけられた超リー代数の重要な例であるヴィラソロ超リー代数の表現に関して、つぎの3つの研究成果が得られた。 1.N=1ヴィラソロ超リー代数のヴァーマ加群の構造の決定。 2.N=1ヴィラソロ超リー代数のフォック加群の構造の決定。 3.ツイストセクターのN=2ヴィラソロ超リー代数のヴァーマ加群とフォック加群の構造の決定 これらの研究では、これまであまり研究の行われてこなかったラモンドセクターも含めて、表現の構造を明らかにしたところに、一つの特徴がある。 また、超リー代数の普遍中心拡大に関して、次の研究成果が得られた。 4.超リー代数の係数拡大とその第2コホモロジーに関するある公式の導出と、ストレンジ型のアフィン超リー代数の構造論(普遍中心拡大)への応用 この研究により得られた公式は、ツイストされたアフィン超リー代数の構造論(普遍中心拡大)に、応用が期待される。 なお、これらの研究の過程では、今年度購入した計算機および数式処理ソフトを用いた数値実験が重要な役割を果たした。また、庵原氏との共同研究、3の結果に関するWisconsin大学のG.Benkart氏と情報交換、関連する結果について研究発表、などのために国内外旅費を必要とした。
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