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2003 年度 実績報告書

商特異点と導来圏

研究課題

研究課題/領域番号 15740013
研究機関京都大学

研究代表者

石井 亮  京都大学, 工学研究科, 講師 (10252420)

キーワード導来圏 / 連接層 / 単純特異点
研究概要

単純特異点の極小解消Xの例外集合Zに台を持つ連接層の導来圏D_Z(X)の自己同値に付いて調べた.導来圏の自己同値としては,直線束のテンソル,多様体の自己同型による引き戻し,シフトという「自明なもの」が存在する.非特異射影多様体については,その標準直線束K又はその双代が豊富であるとき,導来圏の自己同値はそれら自明なもので生成されることが知られている.Kが自明に近くなると,そのようなことは成り立たず,例えばspherical objectによるツイスト函手という非自明な自己同値が存在する.これはホモロジー的ミラー対称性の解釈においても重要なものである.曲面上のspherical objectになる層として考えられるのは,(-2)-曲線上の直線束又はK3曲面上のベクトル束である.我々が考察の対象にしたのは前者であり,次のような結果を得た:A_n型特異点の極小解消Xの場合には,D_Z(X)の自己同値の同値類のなす群は,ピカール群,自己同型,シフトおよび(-2)-曲線上の直線束によるツイスト函手により生成される.ツイスト函手のなす群Bとピカール群は共通部分を持ち,それらで生成される群はBとZ/(n+1)Zの半直積になる.それと自己同型群との半直積を取り,シフトのなすZとの直積を取ったものが求める群である.また,Bridgelandの定義した安定性条件のモデュライ空間をD_Z(X)の場合に考えると,Bridgelandの考えた連結成分は,自己同値群の作用により自分自身に移るということになる.安定性条件のモデュライ空間の具体的記述についても予想が出来るが,現在研究中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Alastair Craw, Akira Ishii: "Flops of G-Hilb and equivalences of derived categories by variation of GIT quotient"Duke Math.J.. 発表予定.

  • [文献書誌] Akira Ishii: "Representation moduli of the McKay quiver for finite subgroups of SL(3, C)"Proceedings of Clay School on Geometry and String Theory(AMS). 発表予定.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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