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2004 年度 実績報告書

商特異点と導来圏

研究課題

研究課題/領域番号 15740013
研究機関京都大学

研究代表者

石井 亮  京都大学, 工学研究科, 講師 (10252420)

キーワード導来圏 / モデュライ空間 / 特異点
研究概要

2次元単純特異点の極小解消の上の,例外集合に台を持つ連接層の導来圏に関して,その自己同値の同型類のなす群および,安定性条件のモデュライ空間について研究した.安定性条件のモデュライ空間とは,弦理論に起源を持ち,Bridgelandにより一般の三角圏に対して定義された複素多様体で,代数多様体に付随して定まる重要な空間であると思われる.三角圏の自己同値の同型類のなす群は,このモデュライ空間に自然に作用する.2次元単純特異点の極小解消の上の例外集合に台を持つ連接層の導来圏の場合には,このモデュライ空間のある連結成分は,アフィンワイル群の複素鏡映面(の加算無限個の和集合)の補集合と,複素平面から原点を除いたものの直積の,正則被覆空間になることがわかった.また,アフィンワイル群の各複素鏡映面についてのモノドロミーは,導来圏における,(-2)-曲線上の直線束によるツイスト函手の引き起こすものであることがわかった.ここで,ツイスト函手とはSeidel-Thomasにより定義された函手であり,球状対象によるツイスト函手は,導来圏の自己同値になる.我々の状況では,各(-2)-曲線上の次数が4の直線束は球状であり,さらに基本サイクルの双対化層も付け加えると,拡大ディンキン図式の頂点に対応する球状対象が得られる.各球状対象によるツイスト函手は組紐群の関係式を満たすが,A型の場合には,導来圏の自己同値の対象ごとの同型類のなす群は,上記ツイスト函手と自明な函手(直線束,多様体の自己同型,シフト函手)により生成されることを示した.上記アフィン型の組紐群の作用が忠実かどうかは,安定性条件のモデュライ空間の連結成分が単連結かどうかということと同値となる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Flops of G-HiIb and equivalences of derived categories by variation of GIT quotient2005

    • 著者名/発表者名
      A.Craw, A.Ishii
    • 雑誌名

      Duke Mathematical Journal 124-2

      ページ: 259-307

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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