本研究費は実質的には7月1日から名古屋大学での研究に用いられたが、4月1日からの東京都立大学での研究とは同テーマであり切りはなせないものである。研究テーマとして本年度は3次元の商特異点の解消についてヒルベルトスキームを用いた構成とグレブナ基底を用いた構成の比較を行った。両者とも有限可換群が作用している場合の不変式論と密接に関わっており、高次元でも2つの関係が重要であることがわかった。また特異点の解消については物理のミラーシンメトリーとの関係も研究し、仏からの訪問者(Sylvie Paycha氏)とも議論した。また高次元でのグレブナ基底を用いた特異点解消について米からの訪問者(A.Craw氏)と議論し最近の研究の情報を得た。 また本年度までに得られた成果の発表のためC.Voisin氏のいる仏、パリ第7大学とGonzalez-Sprinberg氏のいるグルノーブル大学フーリエ研究所を訪れ、講演による発表やセミナー参加者との活発な議論を行い、有益な情報を得ることができたので来年度以降の研究に生かしたい。
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