本年度は昨年度問題として提起した研究内容について、資料収集や情報収集また他の研究者との議論を主に行った。具体的には6月には表現論の研究集会に招待されたので、そこでこれまでの私の特異点解消に関する研究の中で、有限群の表現に関わる結果や研究成果を発表し、未解決問題を提示することにより今まであまり接することのなかった表現論の研究者から様々な新しい見方、表現論で知られている結果を習得することができた。また夏にトロント大学から本大学に来た堀健太郎氏のミラーシンメトリーに関する連続講演に出席し、物理的な側面や数学的な解釈について議論することができた。更に11月には堀氏の主催したミラーシンメトリーと複素幾何学に関する研究集会(カナダ、ペリメータ研究所)に招待され、数学者だけでなく物理学者ともミラーシンメトリーとマッカイ対応の関連について議論したり情報交換することができた。本研究は来年度に最終年度を迎えるが、昨年度からの研究と合わせ、ミラーシンメトリーへの数学的アプローチも含めた形で研究成果を発表できるよう研究を進める予定である。
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