研究概要 |
curve上のVector bundleとの関連から,harmonic bundleについて,高次元まで含む形で調べました.特に,quasi projective variety上のtameなharmonic bundleについて詳しく調べ,次のような結果を得ました. 1.harmonic bundleより得られるdeformed holomorphic bundleがある意味でprojective completion上まで延長できることを示しました.さらに,deformed holomorphic bundle上に自然に得られるラムダ接続は延長して得られているholomorphic bundle上で考えるとregularになっていることを示しました.これはtame harmonic bundleの研究における非常に重要な出発点を与えます. 2.1で得られたprojective completion上に延長されたdeformed holomorphic bundleとregularなラムダ接続より,limiting mixed twistor structureとその上のpolarizationが自然に得られることを示しました. さらに,twistor structureとHodge structureの対応を詳しく調べることによって,polarized mixed twistor structureから常にHodge理論におけるnilpotent orbitが得られることを示したので,結果としてtame harmonic bundleのmonodromyの研究を古典的なvariation of Hodgeの研究に帰着されます. 3.2.で得られた結果の応用として,tame harmonic bundleのflat sectionや,あるいはholomorphic sectionのノルム評価を得ました.これは,この研究結果が古典的なVariation of Hodgeについての研究の一般化といえるぐらい強いものであることを意味すると考えます. 4.さらに,1,2の結果をpure twistor D-moduleの理論に応用しました.Pure twistor D-moduleの研究の主要な目的の一つはKashiwaraの予想の解決です。そのためには,pure twistor D-moduleとsemisimple D-moduleをtame harmonic bundleを経由して一対一に対応させることが重要なステップとなります.このうち1,2の結果を用いることで,pure twistor D-moduleとtame harmonic bundleの対応を与えることができます.さらにtame harmonic-bundleとsemisimple D-moduleの対応をつけ,結果としてKashiwaraの予想のregular holonomic versionの解決ができました. 以上の結果はプレプリントとしてmath.arXivにDG/0312230,DG/0402122に発表した.
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