1.3次元双曲多様体上の測地線の可視化 3次元双曲多様体上では、与えられたホモトピークラスに対して唯一の測地線が定まる。これを計算機上で可視化するプログラムの開発をおこなってきた。 テストプログラムとして、8の字結び目の補空間を、2つの双曲理想4面体に分割し、それ上に入力として曲線をあたえる。その曲線をこまかい線分に分割し、それらを双曲的長さが短かくなるように動かすことで、測地線として実現させるプログラムを作成した。 測地線を4面体上で可視化するプログラムと、8の字結び目のダイアグラムへ引きもどされた測地線を可視化するプログラムはどちらも部品を開発している段階である。 2.写像柱のcensusの作成 曲面の写像類群のなかでpseudo-Anosovと呼ばれる写像類による写像柱は双曲構造をもつことが知られている。これらの例を大量に生成したテーブルをつくり、それらに対してさまざまな不変量を計算することを目的としている。 種数2の曲面の写像類群の元を、生成元を固定して長さ6までかぞえあげ、それらに対して、Sp表現、Jones表現、そして、双曲体積をはじめとするSnapPeaによって計算される不変量などを計算した。 これらのデータをもとに、多様体として同相なものをひとまとめにしてテーブルを作成する作業を進行させているところである。
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