研究課題
ここでの研究目的は、シンプレクティック多様体の無限増大列からなる、無限次元シンプレクティック多様体上の不変量を研究することにある。特に、無限次元シンプレクティック多様体と可積分系との関係において、キャパシティーの不変性を調べている。今年度は、無限次元グラスマン多様体上でその不変量を調べた。それはKP方程式の解を記述しており、数理物理における可積分系と深い関係にある、無限次元グラスマン多様体上にはその解の積分曲線に対応するフロウがあるが、それは標準的なフビニスタディ計量、従ってキャパシティーを保たないことがこれまでの研究で分かっていた.今年度の研究により、そのフロウの一次近似に相当する、リー微分はその標準的な計量を保つことが分った。これにより、キャパシティー共形不変性から、そのフロウのパラメーターについて、キャパシティーを微分したものが保たれ不変量となることが自然に予想される。一方でキャパシティーの可微分性についてはこれまで知られたことがなく、これからの重要な問題の一つとなった。今後はこのことを踏まえて、無限小キャパシティーを定式化し、それは形式的にはフロウで保たれるものであるが、それを実際にバナッハ空間上の解析の準備のもとで示し、さらに、それを用いて、孤立波の解の挙動をククシンの手法を用いて幾何学的に研究することが次の目標である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Contemporary Mathematics, AMS 347
ページ: 113-129
Geometry and Topology 8
ページ: 779-830