コンパクトな4次元多様体上の自己双対計量のモジュライ空間について研究を行った。特に、3つの複素射影平面の連結和の場合に、まず付随するツイスター空間の定義方程式を決定した。次に、逆にその方程式で定義される複素多様体が実際にツイスター空間になるかどうかを調べた。これは、この多様体上の自己双対計量で、非自明なkilling場をもつもののモジュライ空間を決定するための重要なステップである。一般的に、与えられたコンパクト4次元多様体上の自己双対計量のモジュライ空間を決定することは、重要ではあるが大変難しい問題であり、完全な解が知られている例はごくわずかである。筆者はまず、群作用があることを用いて、特別なツイスター直線を、具体的な定義方程式を書き下す形で見つけ出した。次に、これら特別なツイスター直線が、多様体全体に自然にのびることを示した。その結果、上記の逆問題が、肯定的であることをほぼ証明した。証明には、「非特異平面4次曲線は必ず28本の複接線をもつ」という代数幾何学における古典的結果を用いる。
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