研究課題
許容多角形と呼ばれるクラスに入る平面上の多角形曲線が、クリスタライン曲率の正の冪に比例した法線速度で動く界面運動について研究を行った。非凸の初期図形に対して、凸化定理が成り立たないことは、前年度に公表済みであるが、このような場合にどのような特異性が発生するかを調べ、次のような結果を得た。1.Sublinearの場合に、解多角形が非凸のまま縮退し、1点ではなく折れ線に縮退することがあることを理論的に証明した。この場合、図形が取り囲む面積は縮退時間で0になる。消滅する辺の長さの消滅レートは、凸の場合に退化縮退が起きた際に発生する特異性と同じである。2.Sublinearの場合に、解多角形が非凸のまま縮退し、図形が取り囲む面積が0でない図形に縮退する。このとき、面積が正の図形に、1本以上の線分が付加された図形に収束することを理論的に示した。3.移動度についての異方性に対称性が無い場合、非凸図形の一部がpinchingを起こし、分裂が起きることを理論的に示し、このときのpinching rateの数値的予想を提出した。更に、pinchingした部分の線分を取り除いた図形は、必ずしも許容多角形のクラスに入らないことを数値実験により示した。4.非凸図形に対する数値計算法を開発し、領域の分裂時の特異性の数値的予測を、Hirota-Ozawaの方法を適用することにより可能にした。これらの成果を、国際学会および国内研究集会において報告した。
すべて その他
すべて 雑誌論文 (4件)
Gakuto International Series, Mathematical Sciences and Applications (掲載予定)
"Recent Advances on Elliptic and Parabolic Issues",World Scientific (掲載予定)
Advanced Studies in Pure Mathematics (掲載予定)
第9回菅平スキー科学セミナー講演資料集,電気通信大学 (掲載予定)