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2003 年度 実績報告書

流体問題に関連した線形化固有値問題に対する数値的検証法とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15740066
研究機関九州大学

研究代表者

長藤 かおり  九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (40326426)

キーワードDriven Cavity Problem / 数値的検証法 / 無限次元ニュートン法 / 線形化作用素
研究概要

2次元の流体問題の一種であるDriven Cavity Problemに対して精度保証付き数値計算法を適用し,定常解の検証を行った.2次元キャビティ流れの計算については工学分野においても数値シミュレーションの例が多くあるが,数学的な厳密性から言えば滑らかな境界条件を持つ場合を考えることが重要である.滑らかな境界条件を課した場合の定常解の検証については,ドイツのWienersがレイノルズ数20までの場合について定常解の検証に成功しているが,その他にはまだ世界的にも例が少なく,特にレイノルズ数が大きい場合の解の検証に成功した例はまだなかった.
本研究では大きなレイノルズ数の場合にも適用可能な方法として,無限次元空間におけるニュートン法(無限次元ニュートン法)による定常解の検証法を提案した.扱う問題を不動点定式化し,その不動点の検証に関して無限次元ニュートン法を適用する場合,扱う問題の線形化作用素が可逆であることの保証や,その逆作用素の定量的な評価が必要になる.本手法では,線形化作用素Lの可逆性の検証については,フレドホルムの択一定理を利用することによりLの核の一意性を示せばよいことに着目し,線形方程式Lu=0の解uの大域的一意性を精度保証付きで示すことにより行った.またその検証過程で得られる評価を用いることにより,線形化作用素の逆作用素の評価も行うことができた.これらの評価を用いて無限次元ニュートン法を適用し,レイノルズ数がある程度大きい場合でも定常解の検証が行えることを検証数値例により確認した.現在のところ,レイノルズ数が100程度までの場合について定常解の検証が行えることを確認しており,検証方式の更なる効率化により,もっと大きなレイノルズ数についても適用できるように改良を試みているところである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Nagatou, M.T.Nakao, M.Wakayama: "Verified numerical computations for eigenvalues of non-commutative harmonic oscillators"Numerical Functional Analysis and Optimization. 23(5&6). 633-650 (2002)

  • [文献書誌] K.Nagatou: "A computer-assisted proof on the stability of the Kolmogorov flows of incompressible viscous fluid"Journal of Computational and Applied Mathematics. (to appear).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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