研究概要 |
Perturbed Gelfand方程式は,非線形パラメータ依存楕円型方程式の代表例であり,その解曲線はいくつかのTurning Pointを持つことが知られている.この方程式について調べていく過程で,2つのSimple Turning Pointがくっつく点(Double Turning Pointという)の存在と一意性については証明されていないことに気付き,Double Turning Pointに対して精度保証付き数値計算を試みることにした。そのために,まず,問題を球対称解に制限した上で,Caluwaerts (1985)が導入した拡大方程式を利用してDouble Turning Pointの持つ特異性を取り除き,この拡大方程式に中尾の方法を適用することで,Double Turning Pointに対する精度保証付き数値計算を行ない,数値例を与えた.しかし,今回,使用した拡大方程式はdouble turning pointが存在するための必要条件しか満たしていない.そこで,必要条件の検証で得られた値を使って精度保証付きで解曲線を描き,double turning pointの存在を主張した.無限次元問題のdouble turning pointの存在検証を数値的に試みた例は過去にはないので,新しい結果といえる. なお,現在は数値的検証法による十分条件の導出および矩形領域への拡張も検討している.特に,十分条件の導出を導くために,空間をHilbert空間に設定し,今回導入した拡大方程式以外の方程式の導入を検討している.
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