研究概要 |
本研究は、今まで研究例の少ないスフェロイドそしてホイッテーカー微分方程式の固有値問題に着目し、無限行列固有値問題を応用して得られる固有値および逆固有値計算法を提唱し、より厳密な固有値群を得ることである。平成15年度に実施した研究では、あるクラスにおける無限行列の固有値計算法をスフェロイド微分方程式の固有値問題解法に応用することに成功した。本研究で取り扱う特殊関数の背景・物理的意義について調査した上で得られた知識から問題の特性を十分に理解し、スフェロイド微分方程式の固有値問題を無限行列固有値問題に再定式化できることを突き止め、そして先行研究に適用可能であることを数学的に厳密に証明した。一部の証明が完了していない箇所があるが、大変特殊なケースであり、大きな障害は感じていない(ただ、今後の検討課題とする)。さらに、一般にはあまり考慮されない、二重固有値に関する数学的考察を与えることにも着手した。これは、(スフェロイドの場合)通常実数あるいは整数値を取るパラメータm, c,λを複素数として議論するときには欠かせない(生じてくる)問題である。初年度は主に理論的な議論に重点を置いたため、数学的に正しいことを証明することに主眼が置かれたが、数値計算によってもその妥当性を検証した。Fortran言語によるプログラミングでデータ収集を行い、また、Wolfram Inc.によるMathematicaも使いながら、得られたデータ(計算結果)についても正当性を調査し始めている。
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