研究概要 |
平成15年度は,テーマ1:バクテリアモデルから現れる樹状形状の解析 を考察するため,バクテリアモデルである非線形偏微分方程式系の空間1次元における特異極限問題を考えた.反応拡散近似という新しい手法を用いて数値計算を行い,どのような特異極限を考えるのが適切であるか,いくつかの予想を立てることができた.また,反応拡散近似そのものの研究も進み,競争拡散系における特異極限問題の論文1編を発表した.現在,バクテリアコロニーモデルへの応用についても成功し,論文を執筆中である. 次に,解の形状を特徴づけるために自己相似解を具体的な厳密解として構成を試みた.現在,研究途中である.解の形状を特徴づけるV字型進行波解の存在と一意性を証明した論文を執筆中である.一方,解の形状を特異性から特徴づける研究も行っている.常微分方程式系の線形項が爆発に及ぼす影響を調べた論文1編を発表した.これは,純粋内向き線形ベクトル場を加えることにより,爆発が引き起こされるという線形誘導爆発現象である.
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