研究概要 |
平成15年度は次の予想1を掲げ、以下の証明方法で予想の解決に努めた。 [予想1]グラフGがk連結グラフ(k≧4)ならば、Gには任意の2頂点x,yを結び、k-1個の頂点からなる頂点集合W(x,yは含まない)を通る長さmin{|V(G)|-1,2μ'(G)-2}以上の通路が存在する。ここでμ'(G)=min{max{d(u),d(v)}:d(u,v)=2,u,v∈V(G)-{x,y}}とする。 (証明方法) 指定した頂点集合Wの頂点数|W|に関する帰納法による証明を考える。このとき、帰納法の仮定により、グラフGには指定した頂点集合の|W|-1個の頂点を通る長い通路が存在することがわかる。ここで最長通路Pを考え、W⊆V(P)ならば予想は成り立つので、W⊆V(P)、すなわちW-V(P)={w}としてよい。以下、wを含むG-V(P)の連結成分Hの中にwを通る長い通路を見つけ、最長通路Pの長さを求める。 上記証明方法では、最長通路Pの長さを求める際に、すでに最長通路P上にある頂点集合Wの位置に注意し、Pの長さを計算しなければならない。この点が証明を非常に難しいものにしている。これまで、上記証明方法以外にも様々な方法を試みてきたが、現在、予想1の解決には至っていない。今後は、通路と閉路の違いはあるが、予想1と類似した次の予想2についても検討し、予想1の解決への足掛りにしていきたいと考えている。 [予想2]グラフGがk連結グラフ(k≧3)ならば、Gには任意のk個の頂点を通る長さmin{|V(G)|,2μ(G)}以上の閉路が存在する。ここでμ(G)=min{max{d(u),d(v)}:d(u,v)=2,u,v∈V(G)}とする。
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