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2004 年度 実績報告書

無限次元空間における確率解析の展開

研究課題

研究課題/領域番号 15740089
研究機関京都大学

研究代表者

日野 正訓  京都大学, 情報学研究科, 助教授 (40303888)

キーワードDirichlet形式 / Markov半群 / 熱方程式 / 漸近挙動 / 内在距離 / 自己相似集合 / トレース定理 / Besov空間
研究概要

今年度は以下の2つのテーマに関して研究を行った.
1.局所対称Dirichlet形式に付随する対称Markov半群がVaradhan型の短時間漸近挙動を持つことは従来様々な枠組の下で示されてきており,熱方程式の基本解や付随する確率過程の漸近的性質の研究において基本問題であるといえる.そのうち最も一般的な条件下で示したのは2003年の研究代表者とJ.A.Ramirezによる結果(全測度が有限でDirichlet形式が保存的である場合に証明)であったが,今年度の有吉哲平氏との共同研究で,これらの仮定を課さない状況下での証明に成功した.これはこの方向での最終結果であるといえる.論文を現在投稿中である.
2.実関数論において関数空間についてのトレース定理は基本的なツールである.しかしながら,通常の証明方法はユークリッド空間や多様体にのみ通用するものであり,無限次元空間やフラクタル集合といった局所的性質がユークリッド的でないものには適用できない.今年度の熊谷隆氏との共同研究において,広いクラスのフラクタル集合において,その上で定義される自己相似的なDirichlet形式の定義域として定まるBesov-Lipschitz空間を自己相似的部分集合に制限したトレース空間を決定した.証明方法はフラクタルの自己相似性を駆使したものでユークリッド空間の場合とはかなり異なる手法である.先行研究としてのA.Jonssonの結果を大幅に拡張したものであり,現在論文を準備中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] On singularity of energy measures on self-similar sets

    • 著者名/発表者名
      M.Hino
    • 雑誌名

      Probability Theory and Related Fields (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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