研究課題
1.特性方程式の根の分布を詳しく解析することで、1つの時間遅れと2つの定数係数をもつ2次元線形差分方程式系の零解が漸近安定であるための必要十分条件を導出し、従来の結果を一般化することができた。2.相空間における定数変化法の公式を利用して相空間を直和分解することにより、時間遅れをもつ非線形関数差分方程式に対する不変多様体(安定多様体、不安定多様体、中心-不安定多様体)の存在を確立し、解の安定性や不安定性に関する結果を得た。3.時間遅れをもつ2次元線形差分方程式系の零解が漸近安定であるための必要十分条件を、係数行列の行列式、トレースおよび時間遅れのパラメータを用いて具体的に与えた。また、時間遅れをもつロトカ・ヴォルテラ型差分方程式系の平衡点が局所的漸近安定であるための十分条件を数学的に証明した。4.ある線形関数差分方程式の解の漸近挙動について考察し、常差分方程式のペロン型の定理に対応する結果を導くことができた。証明は、解作用素スペクトルにより相空間を分解し、相空間における同値なノルムに着目し、関数差分方程式の解の漸近挙動をある常差分方程式のそれに帰着させることで行った。さらに、得られた結果をヴォルテラ型差分方程式に適用し、解の漸近挙動に関する新しい結果を得た。
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Fields Institute Communications Vol.42
ページ: 273-283
Journal of Difference Equations and Applications Vol.10, No.7
ページ: 661-689
Journal of Inequalities and Applications (印刷中)
Journal of Mathematical Analysis and Applications (印刷中)