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2004 年度 実績報告書

硬X線撮像分光による原始星の高空間分解能探査

研究課題

研究課題/領域番号 15740120
研究機関中央大学

研究代表者

坪井 陽子  中央大学, 理工学部, 助教授 (70349223)

キーワードX線天文学 / フレア / 原始星 / 前主系列星 / 褐色矮星 / ジェット
研究概要

我々はChandra衛星を用いてHH80/81と呼ばれる空間的スケールと速度の大きい原始星ジェットをX線で初めて検出した(Pravdo, Tsuboi, Maeda 2004 ApJ)。明るさはかつて我々がX線検出したジェット、HH2の60倍、しかし温度はHH2と変わらなかった。ジェットと周りの物質との衝突による衝撃波加熱がX線の起源と考えると、この温度は大きいジェット速度を反映していないことがわかった。我々はこのジェットのエンジンと考えられている大質量星からはX線を検出しなかったが、そのすぐ近傍から吸収を受けた硬X線を検出した。これはジェットの付け根を検出したものなのかもしれない。
またXMM-Newton衛星ではHH168領域のジェットをX線検出した(Pravdo & Tsuboi 2005 ApJ)。可視光で明るい複数のノットのすきまをX線ノットが埋めるような構造をしていた。またそのエンジンと考えられるソース近傍から吸収を強く受けた硬X線を検出した。さらに空間分解能のよいX線観測で、電波ソースとの対応関係およびX線の微細構造を明らかにして起源にせまるべきであろう。
我々はかつてX線観測を行ったオリオン分子運3領域を電波(VLAによる)観測した(Tsujimoto et al.2004 PASJ)。2つの電波ソースをその領域から検出し、両者とも近赤外対応天体を持つことを明らかにした。これらはClass I原始星と考えられる。硬X線ソースはこれらから1-2秒角ずれていた。これはClass I原始星から放出されたジェットを見ていると考えても矛盾しないことを示した。
オリオン分子雲の超長時間観測を行い、主系列以前の星から中性鉄輝線を検出した(Tsujimoto et al.2005)。検出したソースは127のサンプル中の7天体であり、それらは全て観測中にフレアを起こし、熱的なX線放射をし、近赤外対応天体をもっていた。それらのX線が大きな吸収を受け(N_H>1x10^<22>cm^<-2>)、赤外超過を示していることから、この中性鉄輝線は磁気再結合でできたフレアループからのX線が星周円盤に照射し、吸収されて蛍光輝線として再放射されたものだと我々は解釈した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Iron Fluorescent Line Emission from Young Stellar Objects in the Orion Nebula2005

    • 著者名/発表者名
      Tsujimoto, M., Feigelson, E.D., Grosso, N., Micela, G., Tsuboi, Y., Favata, F., Shang, H., Kastner, J.H.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Supplement (to be published)

  • [雑誌論文] X-rays from Cepheus A East and West2005

    • 著者名/発表者名
      Pravdo, S.H., Tsuboi, Y.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal (to be published)

  • [雑誌論文] X-rays from HH80,HH81,and the Central Region2004

    • 著者名/発表者名
      Pravdo, S.H., Tsuboi, Y., Maeda, Y.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 605・1

      ページ: 259-271

  • [雑誌論文] A High-Resolution Very Large Array Observation of a Protostar in OMC-3 : Shock-Induced X-Ray Emission by a Protostellar Jet2004

    • 著者名/発表者名
      Tsujimoto, M., Koyama, K., Kobayashi, N., Saito, M., Tsuboi, Y., Chandler, C.J.
    • 雑誌名

      Publications of Astronomical Society of Japan 56・2

      ページ: 341-345

  • [雑誌論文] X-Rays From Class O/I Protostars2004

    • 著者名/発表者名
      Tsuboi, Y.
    • 雑誌名

      proceedings of IAU symposium "Star Formation at High Angular Resolution" 221

      ページ: 247-255

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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