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2004 年度 実績報告書

第一世代天体中の初期質量関数とその矮小銀河への進化

研究課題

研究課題/領域番号 15740122
研究機関立教大学

研究代表者

須佐 元  立教大学, 理学部, 講師 (00323262)

キーワード輻射輸送 / 流体力学 / 星形成 / 自己重力 / 銀河形成 / 宇宙再電離
研究概要

本研究では当初3つの柱を中心として研究を遂行してきた。それらは1)種族III星の初期質量関数、2)種族III星形成における磁場の役割、3)矮小銀河の形成と宇宙再電離の関係、である。このうち特に2、3について詳細な研究を行い、いくつかの結果を得た。まず2)に関しては昨年度、修士の学生との共同研究で、基本的に原始ガス雲が種族III星に収縮していく途中で、磁場が取り残されることはなく、原始星回りの回転円盤までずっとガスに凍結していることがわかった。この結果初期磁場がある程度の値であれば、回転円盤で磁気乱流不安定性が誘起され、乱流粘性による角運動量輸送が重要になることを明らかにした(Maki & Susa 2004)。また、今年度は、種族III星の降着円盤の安定性についても調べた(Uchiyama, Susa, & Ohsuga投稿準備中)。それによると重元素の少ない種族III星の降着円盤は、電離による円盤の不安定が大きく発達し、非常に大きな増光現象がありうることがわかった。これにより、POPIIIせ星やPOPIII星からできるブラックホール周りの降着円盤の観測可能性についても議論を行った。3)については矮小銀河の形成を数値シミュレーションによる輻射流体力学を用いて計算を行い、論文をまとめた。特に宇宙の早期再電離の効果を取り入れた計算を行い、その結果、輻射輸送の効果が非常に重要となることを明らかにした(Susa & Umemura 2004a)。またその後この問題をより宇宙論的な視点から考察しなおし、計算もパラメータ空間をシステマティックに調べた。その結果いわゆるCDMのサブストラクチャー問題が早期の再電離のみによって基本的に解決されうることを示した(Susa & Umemura 2004b)。また内部に明るい電離光源がある場合についても、球対称を仮定して調べた(Kitayama et al.2004)。また上記の大型数値シミュレーションの方法論に関して、コンピュータサイエンスの国際会議で口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] The Effects of Early Cosmic Reionization on the Substructure Problem in Galactic Halos2004

    • 著者名/発表者名
      H.Susa, M.Umemura
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 610

      ページ: L5

  • [雑誌論文] The structure and evolution of early cosmological HII regions2004

    • 著者名/発表者名
      T.Kitayama, N.Yoshida, H.Susa, M.Umemura
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 613

      ページ: 631

  • [雑誌論文] Formation of dwarf galaxies in reionized universe with heterogeneous multi-computer system2004

    • 著者名/発表者名
      T.Boku, H.Susa, K.Onuma, M.Umemura, M.Sato, D.Takahashi
    • 雑誌名

      Lecture Note on Computer Science 3039

      ページ: 629

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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