• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

ミリ波サブミリ波による早期型銀河シルエットディスクの観測的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15740124
研究機関国立天文台

研究代表者

井口 聖  国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (10342627)

キーワード早期型銀河 / シルエットディスク / 超広帯域高分散分光器 / 広帯域4-8GHzIFシステム / バイナリブラックホール / 銀河の合体 / COリング
研究概要

本研究は、早期型銀河シルエットディスクをミリ波やサブミリ波で観測することで、特にAGNに付随する分子ガス円盤/リングのメカニズムを直接的に考察することを目指すものである。
平成15年度の上半期に予定していた「超広帯域高分散分光器及び広帯域4-8GHzIFシステム」の開発は完了し、現在は詳細な評価を行っている段階である。平成16年度にはそれらの結果をまとめて論文化する予定である。さらに、VLBIを使った早期型銀河3C66Bの観測により、その中心部に「バイナリブラックホール」が存在することを発見した「Sudou et al. 2003」。本結果は早期型銀河が2つの大きな「銀河の合体」によって生まれたことを意味し、そのシルエットディスクはその合体時における回転運動によって生成されたものであることを観測的に実証することに成功した。
平成15年度の下半期では、開発したこれらの装置を用いて、野辺山ミリ波干渉計に45m電波望遠鏡と結合し、ハップル宇宙望遠鏡で発見された早期型銀河3C31(NGC383)の中心領域におけるシルエットディスクを観測し、世界で初めてCO(1-0)輝線で描き出すことに成功した。これにより、面密度の動径分布からCO分子ガスがリング状に分布していることがわかり、位置-速度図からこのCOリングが半径1kpcを400km/s以上の高速回転していることがわかった。これは、ハップル宇宙望遠鏡で観測されたHαの結果とほぼ一致しているおり、COディスクがシルエットディスクと同じ場所にあることを示唆している。現在、本研究成果をまとめており、平成16年度には論文化にする予定である。さらに、CO(2-1)での観測も行なっており、詳細な解析を踏まえて、今後、リング状に分布したCO分子ガスの物理状態及び重力安定性から星形成の有無などを明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sudou, H., Iguchi, S., Murata, Y., Taniguchi, Y.: "Orbital Motion in the Radio Galaxy 3C 66B : Evidence for a Supermassive Black Hole Binary"Science. 300. 1263-1265 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi