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2004 年度 実績報告書

ガンマ線バーストを用いた初期宇宙の赤方偏移を同定する赤外分光器系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15740149
研究機関金沢大学

研究代表者

米徳 大輔  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40345608)

キーワードガンマ線バースト / 望遠鏡 / 赤外線 / 初期宇宙 / 可視光 / 分光
研究概要

昨年度までにグリズム素子の開発を行い、可視光領域での分光観測ができるようになった。Z=10のような初期宇宙からのGRBの赤方偏移を決定するには近赤外線での観測が必要となる。そこで、今年度は赤外線検出器の冷却系の実現、読み出し技術の確立、およびフィルターの設計に専念した研究を行った。基盤A研究(代表:中村卓史)で購入した機械式冷凍機を赤外線検出器にマウントすることで77Kの目標温度を達成した。検出器の特性(量子効率)は温度依存性があるために高い精度での温度コントロールが必要である。そこで検出器周辺に温度センサーを取り付け、PID制御を行うことで±0.3Kの精度で温度コントロールができることを実証した。赤外線検出器からの信号をマルチプレクサを用いて順に読み出し、AD変換をかけることでデジタルデータとして取り込むためのハードウェア開発を行った。GRBの赤方偏移を決定する場合、既存のJ, H, Kバンドフィルターだけでは高精度の観測ができない。そこで、これら3種類のフィルターのバンドをさらに分割するためのフィルターをデザインし製作した。フィルター製作費用はかなり高価なものになるために、本研究の枠組みでは設計のみを行い、製作費用は基盤A研究で賄うことにした。
今年度の研究で製作した赤外線検出器を用いた試験観測で、J, H, Kバンドにおいての限界等級がそれぞれ15等級程度であることを示した。現在が最適の設定であるかの最終判断はまだであるが、今後の観測で最大限の性能が出せるように調整する予定である。
2004年12月8日のGRBでは可視光領域で撮像を行い、残光現象を検出した。本システムにおける最初の検出である。残念ながら発生直後でも暗いイベントであったために赤方偏移決定には至らなかったが、世界でもかなり速い段階からの連続観測に成功し、20等級程度までの減光の様子をモニターすることができた。
過去のガンマ線衛星によるGRB観測データを用いて、ピークエネルギーと光度の間に強い相関を発見した。この関係を基に、初期宇宙における星生成率を導出し国際会議で講演した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Gamma-Ray Burst Formation Rate Inferred From the Spectral Peak Energy - Peak Luminosity Relation2004

    • 著者名/発表者名
      D.Yonetoku, T.Murakami, et al.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal 609

      ページ: 935-951

  • [雑誌論文] GRB980425 in the Off-Axis Jet Model of the Standard GRBs2004

    • 著者名/発表者名
      R.Yamazaki, D.Yonetoku, T.Nakamura
    • 雑誌名

      AIP Conference Proceedings 727

      ページ: 416-419

  • [雑誌論文] Observation of the early universe at z = 15 using GRBs ガンマ線バーストで見えてきた z = 15の宇宙2004

    • 著者名/発表者名
      T.Murakami, D.Yonetoku, T.Nakamura
    • 雑誌名

      The Astronomical Herald (天文月報) 97

      ページ: 516-522

  • [雑誌論文] Development and qualification of the HXD-II onboard Astro-E22004

    • 著者名/発表者名
      M.Kawaharada, D.Yonetoku, et al.
    • 雑誌名

      SPIE 5501

      ページ: 286-295

  • [雑誌論文] Wide band X-ray Imager (WXI) and Soft Gamma-ray Detector (SGD) For the NeXT Mission2004

    • 著者名/発表者名
      T.Takahashi, D.Yonetoku, et al.
    • 雑誌名

      SPIE 5488

      ページ: 549-560

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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