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2003 年度 実績報告書

公開データを用いた宇宙の暗黒成分の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15740155
研究機関広島大学

研究代表者

山本 一博  広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50284154)

キーワード宇宙論パラメータ / 宇宙の大規模構造 / クェーサー / 暗黒エネルギー
研究概要

大規模赤方偏移サーベイによる3次元天体分布のパワースペクトル解析において、最小誤差法に基づいた解析法の定式化を与えた。この結果とFisher行列法を用いて、スローンディジタルスカイサーベイ(SDSS)における銀河サンプルのパワースペクトル解析が暗黒エネルギーの状態方程式に将来有用な制限を与えられることを示した。この成果は学術雑誌Astrophysical Journalに掲載された。
Two Degree Field (2dF) QSO・サーベイに基づいて公開されているクェーサー・サンプル・データを用いてパワースペクトル解析を行った。この解析はOutramたちによってすでに行われたものであったが、彼らのデータ解析のテスト及び、SDSSサンプルへの応用を目指す準備として行った。この結果クェーサーサンプルの示す宇宙論モデルは、これまでに3K宇宙背景放射の温度ゆらぎや、近傍銀河の解析から得られているモデルと一致するものであった。これは、暗黒エネルギーの存在と宇宙原理が正しいことを示す新しい証拠である。暗黒エネルギーの状態方程式に制限がつけられることも同時に示した。クェーサーサンプルのショットノイズの影響によって得られた制限は強いものではないが、将来のサーベイに応用した場合、有効な方法になることを示した点が重要である。特に、暗黒エネルギーに制限が得られる理由は、パワースペクトルに痕跡として残された再結合時のバリオン-輻射流体の振動が重要な役割をしていることがわかった。さらに、この方法が明解な物理過程に立脚しており、将来有望な方法であることがわかった。この方法に基づいた新しいサーベイ計画が検討されはじめている。この成果は学術雑誌Astro-physical Journalに掲載予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 山本一博: "Optimal Weighting Scheme in Redshift-space Power Spectrum Analysis and a Prospect for Measuring the Cosmic Equation of State"The Astrophysical Journal. 595. 577-588 (2003)

  • [文献書誌] 山本一博: "Measuring Cosmological Parameters with the SDSS QSO Spatial Power Spectrum Analysis to Test the Cosmological Principle"Monthly Notice of Royal Astronomical Society. 341. 1199-1204 (2003)

  • [文献書誌] 山本一博: "Covariant Wigner Function Approach to the Boltzmann Equation for Mixing Fermions in Curved Spacetime"International Journal of Modern Physics A. 18. 4469-4484 (2003)

  • [文献書誌] 山本一博, 角田恵司: "Wave effect in Gravitational Lensing by a Cosmic String"Physical Review D. 68. 041302-1-041302-4 (2003)

  • [文献書誌] 山本一博: "Power Spectrum Analysis of the 2dF QSO sample revisited"The Astrophysical Journal. 605(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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