本年度は、Belle実験で収集されたデータの解析を大阪市立大学で遂行するための解析プラットフォームの構築を行うために、計算機環境を整えた。 可能な限り効率良く計算機環境を整備するために、既製品の計算機を選択せずに、求められる性能を考慮し、計算機を構成する部品の取捨選択を行い、この研究に特化した計算機を購入した。計算機の購入に関しては、すべての計算機を同時に購入することは避け、試験的に最小構成で購入し、データ解析用ソフトウェアの導入テストを行った。この導入テストに予想以上に時間が掛かり、計画の遅延来した。導入テスト終了後、計算機環境の拡充を図るために、計算機の追加購入を行った。この際の購入に関しては、解析を並列処理するために全体の計算能力のバランスを考慮し、先行して購入した計算機と同一構成とした。 また、計算機環境の整備の一環として、ディスクアレイシステムの導入を行った。こちらも、必要な性能、容量を考慮し、市販の製品をそのまま導入せず、可能な限りの特化を行った。 計算機環境の整備を行うと共に、オレゴン州ポートランドに於いて開催されたIEEEに参加して、この研究の重要な位置を占めるレプトンの同定方法、特にミュー粒子同定に用いるミュー粒子検出器について情報を収集し、かつ、Belle実験で使用されているミュー粒子検出器の性能の安定性についての発表を行った。このことで、Belle実験でのミュー粒子同定の安定性をアピールした。 また、奈良女子大学に於いて、Belle実験に於けるトリガーシステムの研究会を行い、データ収集効率についての研究をすすめた。
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