研究概要 |
ナンバープレースと呼ばれる組み合わせパズルを統計力学的に解析した.ナンバープレースは,実験計画法の概念であるデザインに関する問題ととらえることができ,ある条件を満たすデザインを見つけるというパズルである.分枝限定法ではなく,問題の論理的構造から演繹的に解を見つけるアルゴリズムを実装し,人間が発見的に作った問題のアンサンブルに対して,その性能評価を行った. 15パズルと,それに類する組み合わせパズルを解くアルゴリズムについて調べた.15パズルを解くには,分枝限定法を用いることが有効であることが指摘されている.そこで,上界,下界を与える種々の関数について,15パズルのサイズをより大きくした場合の性能評価を行った.また,サイズを変化させたときの計算量の漸近形を求めるための予備的解析を行った. さめがめと呼ばれる組み合わせパズルを統計力学的に解析した.これは,格子の各点が,n色のうちのひとつの状態をとるようなモデルで,プレイヤーがひとつのクラスターを選択すると,特定のルールに基づいてアップデートがかかるようなものである.特定の条件が成立するまでアップデートを繰り返し,利得が計算される.ルールが非常に複雑であることから,分枝限定法で最適な手順を探索するのではなく,各クラスターを選択することの賢明さを表す評価関数を,クラスターの形や他のクラスターとのつながりから定義することにした.この評価関数の値の大きい順にクラスターを選択するアルゴリズムを採用した.評価関数全体の空間の中で,もっとも利得の大きくなるものを探索した.
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