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2005 年度 実績報告書

カーボンナノチューブに内蔵された水分子のダイナミクスの核磁気共鳴による研究

研究課題

研究課題/領域番号 15740220
研究機関首都大学東京

研究代表者

松田 和之  首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助手 (60347268)

キーワードカーボンナノチューブ / 核磁気共鳴 / 水分子 / 吸着 / 液体固体相転移
研究概要

単層カーボンナノチューブ(SWNT)内部に吸着された水分子のダイナミクスを核磁気共鳴(NMR)およびX線回折により調べる研究を行った。実験はレーザ蒸発法により作製された平均直径14.5Åの高品質SWNT試料を用いて行い、X線回折実験により内部に吸蔵された水が7員環と8員環のアイスナノチューブ(Ice-NT)を形成することを確認した。NMRは、SWNTに重水(^2H_2O)または軽水(^1H_2O)を吸着させ、それぞれの場合について水分子の^1H核と^2H核のNMRスペクトルの測定を行った。さらに、Ice-NT内部空間へのメタンCH_4分子の吸蔵についてもH_2O, CH_4分子の^1H NMRにより調べた。
Ice-NTの形成温度以上では、水分子の運動により先鋭化された^1H,^2H NMR共鳴線を観測した。この結果は、水分子はNMRの時間スケール〜10μsecに比較し短い相関時間をもつ回転・併進運動を行っていて、Ice-NT転移より高温側では水は液体状態にあることを示している。一方、7員環Ice-NT転移以下の^1H核のNMR測定では、液体状態の水からの鋭い共鳴線(半値全幅〜10kHz)と、ブロードな共鳴線(半値全幅〜56kHz)の2成分の共鳴線の重ね合わせのスペクトルが観測され、降温とともにブロードな共鳴線の強度が増大することが明らかになった。このブロードな共鳴線の線幅はIce-NT構造から計算される^1H NMR共鳴線幅51kHzに近い。この結果から、Ice-NT形成に伴い水分子の運動が凍結したことを示しており、Ice-NT相転移が液体-固体相転移であることを示している。
また、メタンガス雰囲気で水を吸蔵したSWNTのメタン、水分子の^1H NMR測定により、メタン分子が低温で水を吸蔵したSWNT内部に侵入し、同時に水分子の運動が急激に凍結することを明らかにした。この結果はSWNT内部でのメタンガスハイドレート形成を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Rietvelt Analysis and Maximum Entropy Method of Powder Diffraction for Bundles of Single-Walled Carbon Nanotubes2005

    • 著者名/発表者名
      H.Kadowaki, A.Nishiyama, K.Matsuda, Y.Maniwa, S.Suzuki, Y.Achiba, H.Kataura
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 74

      ページ: 2990-2995

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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