2003年度は、以下の研究を行った。 1.ウラン化合物の内殻スペクトルの研究 超伝導を示すUPd_2Al_3および典型的なU 5f局在系であるUPd_3に対して高エネルギー分解能放射光光電子分光実験を行い、これら化合物の内殻スペクトルからウラン原子の価数状態に関する研究を行った。その結果、UPd_2Al_3におけるU 5f電子状態はUPd_3とは大きく異なっていることが明らかになった。 2.二軸回転型低温試料マニピュレータの作成 角度分解光電子分光実験において、広い角度範囲で測定を行うために、二軸回転型低温試料マニピュレータの作成を行った。駆動源としてはピエゾモータを用いた。この改造によって、ブリリュアン・ゾーンのより広い範囲を測定することが可能となり、フェルミ面のより詳細な情報を得ることが可能となった。
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