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2003 年度 実績報告書

結び目の量子不変量の物理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15740234
研究機関東京大学

研究代表者

樋上 和弘  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60262151)

キーワード結び目 / 量子不変量 / Jones多項式 / 双曲体積 / 保型関数 / Chern-Simons不変量
研究概要

ジョーンズによって1980年代半ばにJones多項式が定義されて以降、結び目の量子不変量の研究は盛んに行われてきた。ウィッテンによって経路積分を用いた理解が得られているものの、こうした量子不変量の性質にはまだ解明されていないものが多く残されている。その中でも、カシャエフによって1997年に提唱された「体積予想」、すなわち、「色付きJones多項式のある特殊値の漸近極限が結び目の補空間の体積に一致する」とする予想は、量子不変量の幾何学的・物理的な理解に向けて大変重要であると考えられる。
われわれはこの体積予想問題の理解に向けた研究に取り組んだ。まず、非双曲結び目であるトーラス結び目およびトーラス絡み目の色付きJones多項式の性質について詳細な解析を行った。その結果、これら不変量が保型関数のEichler積分と一致することを発見した。ここであらわれた保型関数とは、共形場理論におけるミニマル模型やアフィンリー代数の指標といった数理物理学において非常になじみの深いものであり、量子不変量の物理的性質の解明という今後の研究において有意義なものであると期待される。
またさらに保型関数のEichler積分の性質を用いて量子不変量の厳密な漸近展開を得ることに成功し、漸近極限の値とトーラス結び目のChern-Simons不変量との関係を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Hikami, A.N.Kirillov: "Torus Knot and Minimal Model"Physics Letters B. 575. 343-348 (2003)

  • [文献書誌] K.Hikami: "Quantum Invariant for Torus Link and Modular Form"Communications in Mathematical Physics. (印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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