非線形光学結晶としてニオブ酸カリウムを用いた光パラメトリック共振器を3台構成し、430nmのポンプ光で駆動することで3つの独立な直交位相成分スクイーズド光を生成した。次にこの3つのスクイーズド光を2枚のビームスプリッター(エネルギー反射率がそれぞれ2/3、1/2)の上で合波した。このときの出力状態は連続量3者間量子エンタングルド状態となっているはずである。このことを検証するために量子相関レベルの測定を行った。まず、各出力モードのノイズパワーを単独で測定した。ホモダインディテクターの出力をスペクトラムアナライザーに入力し、900kHz成分のノイズパワーを測定した。その結果、どの位相においても真空場揺らぎよりも大きなノイズが観測された。これが意図した量子ノイズであるかどうかを確かめるために、各モード間での非局所相関測定を行った。x方向の位相に関しては、任意の2つのモード間の差の相関を測定した結果、3つの組み合わせのすべてにおいて、対応する真空場揺らぎよりも小さなノイズが観測された。また、P方向の位相に関しては、全モードの和の相関を測定した結果、対応する真空場揺らぎよりも小さなノイズが観測された。各出力モード単独のノイズレベルは真空場揺らぎよりも大きく、これを出力モード間で足し算/引き算することで真空場揺らぎよりも小さくキャンセルできたことから、確かにこのノイズは非局所相関を持った量子ノイズであることがわかった。これは、連続量3者間量子エンタングルメントの生成を初めて実験的に示したものである。
|