1.多分岐高分子系(デンドリマー)は、中心から放射状かつ規則的に分岐しているという、ユニークな構造をもつ高分子である。光デバイスやドラッグ・デリバリーなど、様々な分野において次世代ナノマテリアルとしての応用が期待されている。また、X線超小角散乱などによる実験研究も近年盛んに行われている。 本研究では、溶液中におけるデンドリマーに関する研究を行い、そのナノ構造形成などに関する性質について計算科学の立場から明らかにした。 2.現実の工業製品の研究開発において、コロイド・サスペンションに代表される微粒子系の分散凝集特性を制御する事、ならびに活用することは必要不可欠である。本研究では特に、ソフトコロイド系における振る舞いに着目し、その粒子間相互作用について明らかにした。 3.非平衡分子動力学シミュレーションに関する、新しい計算アルゴリズムの開発を行った。また、本研究で開発された手法を、水分子系における熱伝導度の研究に適用して、その有効性を示した。
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