極端紫外から紫外線の光の検出効率を増加させる目的で、広く利用されている光電物質について調査をしている。CsIとKBrについては、両者ともおおよそ2-3倍の量子効率の増加が見られたが、KBrに関しては大気中で劣化が大きいことを確認した。これは、99.99%の窒素中に保管しても劣化が見られたことから、KBrの保管は真空中に限られると結論する。現在、その後の経時変化を調査中である。 また、広範囲の紫外光領域で使用されているCsTeについて、極端紫外領域での効率を測定することを試みた。まず、Teを加熱し上記にした後、マイクロチェンネルプレートに蒸着した。そのあと、マイクロチャンネルプレートを真空チェンバーに設置し、Csを抵抗加熱蒸着した。この方法で製造した試験品の量子効率を測定した。その結果、極端紫外領域でも高い効率を有することを確認できたが、CsTe自身がマイクロチェンネルプレートの抵抗値を著しく低下させることがわかった。これは、検出器の熱暴走のトリガーになりかねない。この点は来年度の課題としたい。
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