• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

多種イオンプラズマ中の不安定性と輸送についての多次元電磁粒子シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 15740325
研究機関名古屋大学

研究代表者

樋田 美栄子  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273219)

キーワード粒子シミュレーション / 電流不安定性 / 粒子加速 / 多種イオン / イオンバーンスタイン波 / 磁気音波 / 太陽フレアー
研究概要

宇宙や核融合のプラズマには多種のイオンが含まれている。このような多種イオンプラズマ中の波動伝播、不安定性、輸送などについて、理論と粒子シミュレーションによる研究を行っている。
今年度はまず、2次元の静電粒子コードを用いて、H,^4He,^3Heを含むプラズマ中の電流不安定性を調べた。そして、不安定性の非線形発展が^3He粒子の選択的加速を引き起こすことを見出した。さらに、選択的加速のための条件と加速された粒子のエネルギーについて定量的な議論を展開し、電流不安定性の非線形発展によって太陽フレアーにおける^3He過剰現象を説明できることを示した。
次に、同じく静電粒子コードを用いて、外部磁場に対して直角方向に伝播するイオンバーンスタイン波を調べた。イオンバーンスタイン波による電場揺動は、1種イオンプラズマではイオンのサイクロトロン周期で再帰するだけである。しかし多種イオンプラズマでは、非常に多くの波が存在し、これらの波の位相混合によって電場が減衰しうることを示した。また、この減衰に伴ってイオンにエネルギーが輸送されることを見出した。
これらの研究を電磁的な効果を含めたものへと拡張し、さらには非線形波動の構造形成と粒子加速等の新たな課題に取り組むため、多種イオンプラズマを対象とした多次元の相対論的電磁粒子コードを開発した。高速演算に必要なコードのベクトル化と並列化、また使用する大型計算機に対しての最適化も行った。そして、このコードを用いて,熱平衡に近いプラズマ中の磁気音波を調べ、多種イオンの存在がエネルギーの輸送を増大させることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Toida, H.Okumura: "Nonlinear development of current-driven instabilities and ^3He rich events in solar flares"Journal of Physical Society Japan. 72・5. 1098-1106 (2003)

  • [文献書誌] M.Toida, Y.Suzuki, Y.Ohsawa: "Multi-ion-species effects on power spectra and autocorrelation functions of ion Bernstein waves"J.Plasma Fusion Res.. 79・6. 549-550 (2003)

  • [文献書誌] M.Toida, H.Okumura: "Particle simulations of nonlinear development of current-driven instabilities and selective acceleration of ^3He ions"Computer Physics Communications Journal. (in press). (2004)

  • [文献書誌] M.Toida, H.Okumura: "The maximum energy of ^3He ions accelerated by current-driven instabilities"Physics of Plasmas. 11・4(in press). (2004)

  • [文献書誌] M.Toida, T.Suzuki, Y.Ohsawa: "Collective behavior of ion Bernstein waves in a multi-ion-species plasma"Physics of Plasmas. 11・6(in press). (2004)

  • [文献書誌] M.Toida, H.Okumura: "A model for ^3He rich events in solar flares"J.Plasma Fusion Res.Series. 6(in press). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi