研究課題
1)GEOTAIL型プローブの電場計測データの評価1992年-2002年におけるGEOTAIL衛星データの統計解析によって、オフセット・感度に対する衛星電位・周辺電子温度(イオン温度)を用いた補正方式を確立した。これにより、GEOTAILの電場観測精度として+-0.3mV/mを達成可能であることを示すとともに、この結果を基礎として、磁気圏尾部におけるサブストーム現象時における大規模電場の変動が、モデルとは異なり直接的にプラズマを地球近傍まで押しやるには小さいということを示唆した。(米国Applied Physics Laboratoryの堀研究員との協力による。)2)GEOTAIL型電場プローブの定量モデル化従来近似的に無視されてきた周辺電子温度を加味した衛星浮動電位・プラズマインピーダンスの定量的モデルの構築を行い、定性的に1)の結果と整合することを示した。引き続き、デバイ長がアンテナ長を越えるような特殊条件、また衛星の部分帯電など個別環境を加味した定量的なモデルの構築を進める。また、プローブ表面特性について、現在その具体的な手法と試料作製・試料測定の準備を行った。来年度早々に、従来用いされてきた炭素系塗料、および欧州で一部用いられている窒化チタンアルミニウム(セラミックコーティング)の基礎特性の取得実験を行う。3)数直シミュレーションの検討および次期ワイヤプローブシステムの設計DC的な衛星-プローブ系の数値シミュレーションを目的とした、Poisson解析および粒子数値コードの開発に着手した。来年度、基礎的な数値解析によって1)2)との比較に着手する。また、1)2)の結果を基礎として、水星磁気圏探査機に搭載するワイヤプローブシステムの、機械・電気設計を開始した。
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