【1】画像解析法を利用した懸滴法装置の製作 動的界面張力を画像解析を利用して測定するための懸滴法装置を製作中である。現在の試作品の性能は、液滴作成後ミリ秒単位間隔での測定が可能となっているが、界面張力測定精度が±0.1mN/mである。目的の研究を行うためには測定精度を±0.01mN/mまで向上させる必要があるのだが、そのためには(1)CCDカメラの画素数を現在の30万から50万に上げることと(2)液滴輪郭の検出を現在のピクセル単位からサブピクセルで行えるよう解析プログラムの改良を行うことが必須である。現在これらの点を改良中である。 【2】NMRによるスピン-格子緩和時間(T1)および自己拡散係数の測定 ミセルやベシクル中での界面活性剤の運動性を調べるために核磁気共鳴(NMR)の緩和法を利用した測定を行っている。申請者が所属する大学の所有するBruker Avance series DRX-400 (400MHz)を用い、これまでのところ、ミセルを形成する陽イオン性界面活性剤の重水溶液のT1を濃度を変えて測定し、モノマー状態とミセル状態での各プロトンごとの運動性を調べた。この測定により界面活性剤の疎水基末端のメチル基の運動性がミセル形成により大きく変化すること、親水基側から数えて2つめの炭素までが、水和に関与することが示唆されている。16年度は陰イオン性界面活性剤との混合系の測定を行う。
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