[1]陰イオン-陽イオン界面活性剤混合水溶液系の動的界面張力測定を測定中である。測定を行っている系は双方の界面活性剤疎水基が炭化水素鎖である(1)デシル硫酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム系と一方の疎水基が炭化水素鎖であり、もう一方の疎水基がフッ化炭素鎖である(2)ペルフルオロオクタン酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム系である。 [2]ペルフルオロオクタン酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム混合水溶液系の会合体形成の相図を、表面張力測定により明らかにした(投稿準備中)。 [3]デシル硫酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム混合重水溶液系において、核磁気共鳴測定によるスピン-格子緩和時間(T1)およびスピン-スピン緩和時間(T2)を測定した。その結果、ミセルとベシクルではT2が著しく異なり、ベシクル中での界面活性剤分子の運動性は液晶相中でのそれと同じであることが明らかになった(投稿準備中)。17年度はペルフルオロオクタン酸ナトリウム-臭化デシルトリメチルアンモニウム系についても測定を行う。 [4]メロシアニン色素について、炭化水素鎖およびフッ化炭素鎖を有する脂質との水面上混合単分子膜中における二次元会合体の形成機構と発光特性を、界面化学的手法により研究した。その結果、炭化水素鎖を持つ脂質との混合膜においては、J会合体とH会合体の両方を形成し、フッ化炭素鎖を持つ脂質との混合膜においては、正味の分子間相互作用が弱くなり、J会合体のみが形成されることが明らかになった(論文発表済)。
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