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2003 年度 実績報告書

フェムト秒ラマン分光法を用いた分子J会合体中フレンケル励起子の振電相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15750005
研究機関東京大学

研究代表者

加納 英明  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70334240)

キーワードコヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱 / フォトニック・クリスタル・ファイバー
研究概要

励起状態における分子J会合体の研究の準備として、フェムト秒時間分解コヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱(CARS)分光光学系の開発を行った。これにより、電子基底状態における振動励起状態のダイナミクスについて詳細な知見が得られる。光源には励起レーザー一体型のTi : sapphire発振器を用いた。発振器からの出力を三つに分け、一つをフォトニック・クリスタル・ファイバーに導入して白色光を発生させた。残りの二つはそれぞれ光学遅延路(τ_1,τ_2)を経由した後、近赤外領域の白色光と同軸に対物レンズに導入し、試料において発生したCARS光を分光した後、ロックイン検出を行った。シクロヘキサンを試料として、CH_2伸縮振動領域(測定波長651nm)におけるフェムト秒CARS信号の測定を試みた。その結果、CARS信号をτ_1,τ_2二つの遅延時間で展開した二次元マッピングとして得ることに成功した。さらに、遅延時間依存性に、周期約430fsの明瞭なビートが観測された。このビートは波数差約75cm^<-1>に相当し、CH_2の対称・逆対称伸縮振動の波数差によく一致する。従って、この信号は、白色光と基本波により励振された二つの振動コヒーレンスから発生したCARS光同士の干渉であると同定することができた。このように、フォトニック・クリスタル・ファイバーからの白色光を用いて簡便にフェムト秒CARS分光を行うことが可能であることが示された。本研究のさらなる発展として、振動モード間のコヒーレンス・トランスファーなどの研究に、本測定方法が有効であることを提案した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hideaki KANO, Hiro-o HAMAGUCHI: "Characterization of supercontinuum generated from a photonic crystal fiber and its application to coherent Raman spectroscopy"Optics Letters. 28(23). 2860 (2003)

  • [文献書誌] 加納英明: "フォトニッククリスタルファイバーを用いたコヒーレントラマン分光法"分光研究. 52(6). 365 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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