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2003 年度 実績報告書

高周期典型元素ラジカルの合成と電子物性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15750027
研究機関筑波大学

研究代表者

中本 真晃  筑波大学, 化学系, 助手 (90334044)

キーワード典型元素 / ラジカル / ESRスペクトル / X線結晶構造解析 / 酸化還元系 / 高周期14族元素 / 高周期13族元素
研究概要

最近、我々はジハロシランあるいはジクロロゲルミレンを出発原料にし、非環状型安定シリルラジカル及びゲルミルラジカルの合成に成功した[J.Am.Chem.Soc.2002,124,9865-9869]。この方法を用いると、極めて簡便に高周期14族元素ラジカルをグラムオーダー合成できる。本年度の研究成果としては、この素反応を展開させ、高周期13族元素(アルミニウムおよびガリウム)安定アニオンラジカルの合成へと発展させたことである。
14族元素中性ラジカルと等電子構造である13族元素アニオンラジカルは、対応する三置換前駆体の一電子移動還元反応により合成できると計画し、3つのケイ素置換基を有するアルミニウム(III)およびガリウム(III)化合物を合成した。続いてアルカリ金属による一電子還元を行い、安定な高周期13族典型元素ラジカルアニオンを濃い赤色の結晶として合成単離に成功した。これらは既に合成している高周期14族元素(Si,Ge,Sn)ラジカルと等電子構造の関係にある。X線結晶構造解析、ESR測定等を行い、14族元素ラジカル(Si,Ge,Sn)と13族元素ラジカルアニオン(Al,Ga)との比較、および構造や反応性の特徴を明らかにした。その結果、13族アニオンラジカルもケイ素やゲルマニウムのラジカルと類似した非常に平面性の高いπ型ラジカルであることが、構造解析、ESRから明かとなった。また適切な条件下では可逆的な酸化還元系を形成している。今後は、単一サイトのスピン、単一元素を中心とした一分子に留まらず、分子間あるいは分子内での複合的な電子移動により生じたラジカルイオンの特性について調べて行きたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中本 真晃 他: "Silylium Ion to Silylium Ion Rearrangement Caused by 1,3-Methyl Migration"Chemistry Letters. 33・1. 38-39 (2004)

  • [文献書誌] 関口 章 他: "Tin-Centered Radical and Cation : Stable and Free"Journal of American Chemical Society. 125・31. 9250-9251 (2003)

  • [文献書誌] 関口 章 他: "(^tBu_2MeSi)_3Ge^+ : An Isolable Free Germyl Cation Lacking Conjugation to π-Bonds."Angewandte Chemie Internal Edition. 42. 1143-1145 (2003)

  • [文献書誌] 中本 真晃 他: "Nearly Planar Nonsolvated Monomeric Silyl- and Germyllithiums as a Result of an Intramolecular CH-Li Agostic Interaction"Journal of American Chemical Society. 124・51. 15160-15161 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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