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2004 年度 実績報告書

多重項カルベン錯体の性質の解明と有機合成反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15750041
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

池野 健人  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50296753)

キーワードCobalt / Schiff Base / Carbene Complex / Spin Crossing / Hetero Diels-Alder Reaction / Lewis Acids / Porphyrin / DFT Calulation
研究概要

ケトイミナトコバルト錯体を用いるスチレン類とジアゾ酢酸エステルとの不斉シクロプロパン化反応において反応中間体であるコバルトカルベン錯体が単結合性のカルベン錯体であることを時間分解FT-IRと密度汎関数法による解析から明らかにしている。平成15年度は金属カルベン炭素結合の性質を決定している要因を調べるため、種々の中心金属・スピン多重度を持つポルフィリン錯体とジアゾ酢酸メチルとの反応を時間分解IRにより追跡すると同時に中間体の金属ポルフィリンカルベン錯体を密度汎関数法を用いて解析した。その結果、反磁性金属ポルフィリンカルベン錯体は2重結合、常磁性金属ポルフィリンカルベン錯体は単結合性のカルベン錯体であり、中心金属ではなくスピン状態が金属-カルベン炭素結合の性質を決定していることがわかった。平成16年度はこの知見を生かし、鉄ポルフィリン錯体とジアゾ酢酸エステルとの反応過程におけるスピン状態の変化を時間分解IRにより追跡することを試みた。その結果、カルベン錯体のスピン変化を定性的にではあるが、時間分解IRにより追跡可能であることがわかった。
さらに、ケトイミナト型コバルト錯体を触媒とする不斉ヘテロDiels-Alder反応の反応機構を密度汎関数法により解析した。その結果、2価、,3価とコバルト錯体のカチオン性が強くなるに従って活性化エネルギーが低下することがわかった。また3価カチオン性コバルト錯体の場合、アルデヒドが1つ配位した場合には3重項の遷移状態が安定であるのに対して、アルデヒドが2つ配位した場合には1重項の遷移状態が安定となり、その結果ルイス塩基の配位にもかかわらず錯体のルイス酸性が強くなり、よりよいヘテロDiels-Alder反応の触媒になっていることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A DFT Study on Hetero Diels-Alder Reactions Catalyzed by Cobalt Complexes: Lewis Acidity Enhancement as a Consequence of Spin Transition Caused by Lewis Base Coordination2005

    • 著者名/発表者名
      Izumi Iwakura, Taketo Ikeno, Tohru Yamada
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition 44(in press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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