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2003 年度 実績報告書

多機能型遷移金属錯体触媒を用いる多成分連結反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15750088
研究機関大阪大学

研究代表者

高谷 光  大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50304035)

キーワード多成分連結反応 / 多機能型触媒 / イリジウムヒドリド錯体 / C-H活性化 / CN3重結合活性化 / グルタルイミド医薬品 / ニトリル / 環境調和型プロセス
研究概要

多成分連結反応は化学物質の排出量が少ない環境調和型プロセスとして注目されている。多成分連結反応では合成に必要な複数の原料化合物を一度に全て混ぜ合わせることによって標的分子を得るまでのプロセスを一つのフラスコ内で連続して行う。これに対して従来までの有機合成化学では2成分反応を何度も繰り返して逐次的に分子を構築していく多段階合成プロセスが一般的である。しかし、このような多段階プロセスでは廃棄・排出される化学物質の量は反応段階の数に比例して増大し、それらの重量の総和が最終的に必要な目的分子の100倍以上となってしまうことも珍しくない。さらに、反応操作にかかる時間やエネルギーはもちろんのこと、人件費などのコストも非常に大きなものとなる。一方、多成分連結反応ではたった1回の反応操作で標的分子の合成を行えるので時間やエネルギーの面でも大幅な節約となるだけでなく、環境負荷の大きい有害物質の使用・排出量を最小限に抑えることが可能となる。
多成分連結反応を行うには複数の原料分子の結合と変換が一つのフラスコ内で連続的に行われる必要がある。申請者はイリジウムヒドリド錯体がルイス酸および塩基型の触媒機能を併せ持つ多機能型触媒として作用し、ルイス酸および塩基によって進行する複数の反応を一つのフラスコ内で連続して行えることを見出した。具体的にはイリジウムポリヒドリド錯体触媒IrH_5(P-i-Pr_3)_2(1)の存在下にニトリルのα位のC-H結合を活性化によるマイケル付加反応と、ニトリルのCN3重結合の活性化による水和-縮合環化反応が連続的に進行し、中間生成物を単離することなく医薬品として重要なグルタルイミド類を一段階で合成することが可能となる。例えば、本反応を用いることにより、チバガイギー社(現ノバルティス社)により開発され、抗てんかん・鎮痛鎮静剤などの有用な医薬品となることが知られているGlutethimideを一段階で合成することに成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hikaru Takaya et al.: "Transition-Metal-Based Lewis Acid and Base Catalysts of Iridium Hydride Complexes : Multicomponent Synthesis of Glutarimides"Angewandte Chemie International Edition. 43・3. 3302-3304 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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