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2003 年度 実績報告書

らせん構造を持つイソシアニドポリマーの合成と機能

研究課題

研究課題/領域番号 15750105
研究機関大阪大学

研究代表者

武井 史恵  大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (30252711)

キーワードポリイソシアニド / 分子内エネルギー移動 / ポルフィリン / らせんポリマー
研究概要

本研究では、側鎖に機能性分子が規則的に配列、積層したポリイソシアニドの合成及び物性について研究を進めた。これまでに我々の見出した白金とパラジウム複核錯体1を開始剤とするアリールイソシアニドのリビング重合法を使って、ポルフィリンを側鎖にもつイソシアニドを重合すると、側鎖のポルフィリンは主鎖に沿ってほぼ規則的に配列する事が分かっている。この重合法を使って、ポリマーの1分子内にドナーとアクセプターを組み込み、分子内でのエネルギー移動系の実現を目指した。
フェニルイソシアニドとポルフィリンをエステル結合で連結したポルフィリンイソシアニド2_Hおよびポルフィリン環に亜鉛を結合させた2_<Zn>とのA-B-Aタイプの共重合反応はスムーズに進行し、分子内部に2_Hを持つトリブロックコポリマー3を定量的に与えた。このポリマー3の蛍光スペクトルを測定すると、3中の2_Hからの蛍光強度は、2_Hおよび2_<Zn>のホモポリマーの混合物が示す蛍光強度よりも強く、分子内でエネルギー移動が起こっていることが示唆され、その移動効率は約30%と見積もられた。また、末端に2_Hを持つA-Bタイプのブロックコポリマー4も3と同様に合成し、エネルギー移動効率を測定した結果、4は分子内部に2_Hを持つポリマー3よりも高い移動効率を示し、その効率は約50%であった。これらの結果は白金-パラジウム錯体1を使った重合法によって得られたブロックコポリマーでは、側鎖ポルフィリンが主鎖に沿って規則的に配列し、分子内でのエネルギー移動が起こることを示唆する。この知見を基に、今後、機能性分子材料の創製に向けて更に検討を重ねる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.Hida, F.Takei, K.Onitsuka, K.Shiga, S.Asaoka, T.Iyoda, S.Takahashi: "Synthesis and Property of Helical-chiral Polyisocyanides bearing Ferrocenyl Groups as Pendants"Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 4349-4352 (2003)

  • [文献書誌] F.Takei, S.Nakamura, K.Onitsuka, A.Ishida, S.Tojo, T.Majima, S.Takahashi: "Preparation and Photochemical Properties of Polyisocyanides with Regularly Arranged Porphyrin Pendants"Chem.Lett.. 32. 506-507 (2003)

  • [文献書誌] K.Shiga, K.Ishii, T.Miura, J.Abe, T.Yamagishi, S.Asaoka, T.Iyoda, F.Takei, K.Onitsuka., S.Takahashi: "Chiroptical Properties of Helical Poly(aryl isocyanide)s Bearing m-Substituted Azobenzene Moiety"Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.. 28. 557-560 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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