• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

環拡大反応による大環状ポリマーの合成

研究課題

研究課題/領域番号 15750107
研究機関神奈川大学

研究代表者

工藤 宏人  神奈川大学, 工学部, 助手 (30343635)

キーワードチイラン / 大環状S-アリールチオエステル / 環拡大集合 / 環状ポリスルフィド
研究概要

これまで、チイラン類とカルボン酸誘導体類との位置選択的付加反応を利用した、分子量と分子量分布の制御されたポリスルフィドの合成法を確立している。本研究では、大環状S-アリールチオエステルを開始剤に用いたチイラン類の重合について検討した。種々の骨格を有する環状S-アリールチオエステル類(o-CTE-2)を合成し、これを開始剤に用いた環拡大重合による、環状ポリスルフィドの合成について詳細に検討を行った。o-CTE-2とチイラン類[3-フェノキシプロピレンスルフィド(PPS),3-ブトキシプロピレンスルフィド(BPS),シクロヘキセンスルフィド(CHS)]とのチオエステル結合への付抑反応を触媒としてテトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)を用い、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中、90℃、24時間行った。その結果、IR、^1H NMRよりS-アリールチオエステル結合にチイラン類が100%付加したことが分かったが、より小さい環状生成物と大きい環状生成物(1〜4量体)が確認された。GPC測定より、いずれのチイランを用いた場合も、高分子量生成物(数平均分子量(M_n)=約1方)が認められた。
次に、o-CTE-2とPPSの反応を、TBAC存在下、NMP中、90℃、24時間、種々の仕込み比で検討した結果、高収率でポリマーが得られ、PPS/o-CTE-2の仕込み比の増加に伴い、得られたポリマーのM_nが増加した。また、^1H NMRより算出したM_nは、仕込み比より算出した理論分子量と良く一致したが、GPCから算出したM_nは大きな値であることが判明した。以上の結果より、o-CTE-2へチイラン類が挿入する際、環の拡大と共に、分子間反応による環の拡大反応が進行したと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Kudo, T.Kurakata, M.Sasaki, T.Nishikubo: "Synthesis of polyesters by the polyaddition of bis(oxetane)s with active di(ester)s"Journal of Polymer Science, Part6 A : Polymer Chemistry. 42・6. 1528-1536 (2004)

  • [文献書誌] Y.Konno, H.Suzuki, H.Kudo, A.Kameyama, T.Nishikubo: "Synthesis and Properties of Fluorine-containing poly(ether)s with pendant hydroxyl groups by the polyaddition of bis(oxetnae)s and bisphenol AF"Polymer Journal. 36(2). 114-122 (2004)

  • [文献書誌] H.Kudo, K.Ueda, N.Sano, T.Nishikubo: "Synthesis of polyesters with pendant oxetane groups by the chemoselective alternating copolymerization of 3-ethyl-3-(glycidyloxymethy)oxetane with calboxylic anhydride and its photochemical reaction"Journal of Polymer Science, PartA : Polymer Chemistry. 41(13). 1952-1961 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi