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2003 年度 実績報告書

二次元自己組織化構造の新規制御法とインターラインケミストリーの創生

研究課題

研究課題/領域番号 15750112
研究機関宇都宮大学

研究代表者

飯村 兼一  宇都宮大学, 工学部, 助手 (10272220)

キーワード自己組織化 / Langmuir膜 / 相分離 / ラインテンション / 構造制御 / 長鎖脂肪酸 / フッ素化ポリエーテル / 原子間力顕微鏡
研究概要

n-アルキル脂肪酸(Cn,全炭素鎖長n=18,20,22,24)の凝縮相マイクロドメインと全フッ素化ポリエーテル酸(PFPE)の膨張相からなる水面上のミクロ相分離単分子膜に対して、(財)高輝度光科学研究センター(SPring8)およびDeutsches Elektronen-Synchrotron(DESY)で、シンクロトロン放射光を用いた小角入射X線回折(GIXD)によってCn相における分子充填構造を調べ、相分離膜のモルフォロジーとの関係について検討した。原子間力顕微鏡を用いたCn/PFPE(8/2)膜の観察像の解析から、相分離構造は、Cnの凝縮相ドメインが線状構造をとる低温領域(I)と円形構造をとる高温領域(III)、およびその中間温度領域(II)に分けられる。GIXDの結果からは、両成分が単分子膜において完全に非相溶であること、Cn相は低温でオルソロンビック格子を高温ではヘキサゴナル格子をとること、領域IからIIへの変化は分子格子の変形と分子占有面積の増加を伴って起こっているが、領域IIとIIIの境界温度付近では分子占有面積のみが変化することが明らかになった。また、CnとPFPEの混合比を系統的に変えた場合の構造変化についても膜の観察像を定量的に解析したところ、ドメイン構造は膜物質の混合比には依存せず、炭化水素鎖長と水面温度によって決定されていることを明らかにした。これらのことから、Cn/PFPE膜における相分離構造は、膜成分の相溶性や格子構造そのものの変化というよりも、分子充填密度のわずかな違いによって起こるラインテンションの変化に伴って変化していることがわかった。また、性質の異なる二本の疎水鎖を一分子中に有した界面活性剤(ライナクタント)を第三成分として混合した場合にも、膜のモルフォロジーは、その混合比に依存して系統的に変化することを見出した。現在、物性測定と構造解析による詳細な検討が進行中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Iimura, Y.Shirai, M.Yoshida, I.Hirosawa, N.Kato, T.Kato: "Phase Behavior of Octadecylurea Derivatives at the Air-Water Interface Studied by Langmuir Film Balance and Grazing-Incidence X-Ray Diffraction"Transactions of the Materials Research Society of Japan. Vol28. 59-62 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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