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2005 年度 実績報告書

電気分析化学的アプローチによる生体内微量金属の生理活性作用発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15750146
研究機関高知大学

研究代表者

上田 忠治  高知大学, 理学部, 助教授 (50294822)

キーワードサレン錯体 / サイクリックボルタンメトリー / カチオン / アニオン / カチオン / 有機塩素化合物 / 紫外線
研究概要

本年度は、平成15年度および平成16年度に引き続き,アセトニトリル溶液中における様々なバナジウム錯体の酸化還元挙動をサイクリックボルタンメトリーによって調べた。さらに,サレン配位子を持つバナジウム,コバルト,鉄,銅錯体の酸化還元挙動を詳細に調べた。今回調査したサレン錯体の還元波は,今まで調査してきたバナジウム錯体と同様に酸やアルカリ金属イオンの影響を受けて,正側にピーク電位がシフトした。ただし,酸を添加した時は,還元体が分解する挙動が見られたのに対して,アルカリ金属イオンを添加した時は,酸よりも正電位側へのシフト幅は小さいものの,錯体の還元体は安定であった。一方,塩化物イオン等のサイズの小さいアニオンを添加すると,酸化波が負電位側にシフトした。
さらに,ニッケル-あるいは鉄-サレン錯体を電気的に還元してそれぞれCo(I)およびFe(I)錯体を発生させ,そこに塩化ベンジル,クロロ酢酸などの有機塩素化合物を添加すると,触媒的な還元挙動が見られた。これは,Co(I)やFe(I)が塩素に結合した炭素に求核攻撃し,脱塩素化反応が起こり,Co(II)あるいはFe(II)に酸化されることを示している。この条件に,アルカリ金属イオンを添加すると,触媒メカニズムには変化がないが,低い印加電位でも起こることが分かった。また,電極上に紫外線を照射すると,求核攻撃によって生成しているCo(III)-RClあるいはFe(III)-RClの金属-炭素結合が切れやすくなり,触媒サイクルが効率よくなり,還元電流値が大きくなる挙動が見られた。しかし,これらの一連の挙動はバナジウム-や銅-サレン錯体では見られなかった。
以上より,金属-サレン錯体の電気化学的酸化還元挙動を詳細に調べ,その酸化還元挙動に及ぼすカチオンやアニオンの影響および有機塩素化合物との反応性を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Formation of α- and β-Keggin-type [PW_<12>O_<40>]^<3-> Complexes in Aqueous Media2005

    • 著者名/発表者名
      S Himeno, M.Takamoto, T.Ueda
    • 雑誌名

      Bull.Chem.Soc.Jpn. 78

      ページ: 1463-1468

  • [雑誌論文] Proton Nuclear Magnetic Resonance and Raman Spectroscopic Studies of Japanese Sake an Alcoholic Beverage2005

    • 著者名/発表者名
      A.Nose, M.Myojin, M.Hojo, T.Ueda, T.Okuda
    • 雑誌名

      J.Biosci.Bioeng. 99

      ページ: 493-501

  • [雑誌論文] Hydrogen Bonding in Alcoholic Beverages (Distilled Spirits) and Water-Ethanol Mixtures2005

    • 著者名/発表者名
      A.Nose, T.Hamasaki, M.Hojo, R.Kato, K.Uehara, T.Ueda
    • 雑誌名

      J.Agric.Food Chem. 53

      ページ: 7074-7081

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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